RSI(相対力指数)を使ったトレードでは、RSIが売られすぎの領域(30以下)になったら買い、買われすぎの領域(70以上)になったら売るというのが、フォーラムでよく見かけるこの technical indicator の手法です。また、RSIのラインが30より上に戻るのを待ち(買い)、70より下に下がるのを待つ(売り)というストラテジーもあります。
しかし今回は、私が長年の機関投資家の研究を通じて学んだアプローチを探ります。この戦略の基本は、なぜ30/70の値を使ってトレードするのか、誰がその値を使うのが正しいと言ったのかを問う事です。厳密に言えば、30/70の値は設計図というより指導原理なのです。
30/70でないとしたら、何を使うのか?
下の図を見ると、過去3回の反発はRSIが30%ではなく、19.74%のときに起きている事がわかります。
この事からわかるのは、このマーケットではバウンドが発生するRSIの値が19.74%レベルです。これは、多くのストラテジーが注目する30%のレベルではありません。
この事を念頭に置き、私達はマーケットの「真のRSI」レベルに注目する事により、バウンドの可能性を探せます。ここで重要なのは、真のRSIは市場やシンボル、さらにはタイムフレームによって異なるという事になります。つまり上記の例(GBP/JPY、H1)では、現時点での真のRSIは19.74%です。トレーダーがこれを識別できれば次の跳ね返りの可能性がある場所をより高い可能性で予測する事が出来ます。
80%の信頼度
私の経験則では、最低でも80%の信頼度を持つ様にしています。つまり過去5回の跳ね返りのうち、4回がRSIで5%以内に一致していなければなりません(5回中4回が80%)。信頼度が80%であれば、6回目にRSIがTrue RSIの水準に触れたとき、価格がバウンドする可能性は十分にあるのです。では、実際にこの例を見てみましょう。
上の例では過去5回、RSIが63%エリアに到達する度に価格がきれいに下落している事がわかります。この観察に基づき、次にRSIが63%エリアに到達した時、価格が反転する可能性があると予測できます。
チャートを拡大すると、RSIが63%レベルからうまく反転しており、それに伴い価格もうまく反転している事がわかるでしょう。
RSI戦略の知識をさらに深めるには、トレーディングストラテジー(取引戦略)ウェビナーで様々な手法を分析しましょう。追加の取引機会を見つけ、それらを使って精度を向上させましょう:
私はRSIの21、34、55、89の設定を使い回す事が多く、RSI14だけを使うことにこだわらないようにしています。コツは、マーケットに最も適したRSI設定を見つける事です。RSI14が正しい設定だとは誰も言っていませんし、実際、デフォルトの設定に過ぎません。
デフォルトの設定が必ずしも正しいとは限らないという可能性に心を開く事が大切です。その代わり、マーケットの真のRSI設定を見つけるのは私達次第なのです。
私は、最低でも5人のサンプルサイズを持つ様にしています。つまり過去の価格反転のうち、RSIの5%幅と一致するものが5個中4個以上必要なのです。
10回中8回というのもありますが、この条件はちょっと厳しすぎてそのようなセットアップを見つけられる回数が減ってしまうかもしれません。
この方法は、H1、H4、D1チャートで最も効果的な傾向があります。それ以下の時間軸ではノイズが多すぎるため、予測の精度が低くなる傾向があります。
更に読む → 一目均衡表の取引戦略: エッセンシャルガイド
この為のインジケーターはあるのでしょうか?
複数の時間枠で複数のRSI設定をスキャンし、信頼度80%の基準を満たすセットアップを見つけるのは簡単ではありません。ありがたいことにMT4 True RSI Indicatorと呼ばれるインジケーターが用意されています。
このインジケーターでは、以下のことが可能です:
最終的にこのような結果が得られます:
上の例では、5つの価格反転のうち4つ(黄色で囲った部分)がRSIの32~36%の水準できれいに跳ね返っている事がわかります。
True RSI Indicatorは、スキャンして隠れたサポートレベルを見る事が出来ます。上の図は表の読み方を説明したもので、簡単に真の(隠れた)RSIエリアを見つけられます。ここでは、様々な設定について説明します:
設定
これは、私達がテストしている様々なRSI設定です(一度に最大5つまで)。
表示:
これをクリックすると、隠された領域とともにRSIが読み込まれます。通常、有効な非表示RSIエリアがある場合のみ「表示」をクリックします。
H有効:
高値有効:隠れたRSIスイング高値抵抗エリアがある事を意味します(バウンスではなくドロップをプレイしている場合)。
Hレンジ:
この隠れたRSIスイングハイレジスタンスの隠れたRSIエリアのレンジを表示します。
H距離:
現在のRSIから隠れエリアまでの距離を表示します。数字が小さいほど近いことを意味します。
L有効:
低値有効:隠れたRSIスイング低値サポートエリア(ここからバウンスする)がある事を意味します。
Lレンジ:
隠れたRSIスイングローサポートがある、隠れたRSIエリアの範囲を表示します。
L距離:
現在のRSIから隠れたエリアまでの距離を表示します。数字が小さいほど近い事を意味します。
同じ様に、真のRSIインジケータは隠れたサポートレベルを見つける事ができ、隠れたレジスタンスレベルの識別が可能です。上記の例では、True RSIインディケータが過去5回のうち4回の反転がうまく起こった58-61%の隠れたレジスタンスエリアを識別している事がわかります。
True RSIインディケータは非常に柔軟で、多くの入力の感度を調整することができるので、戦略を微調整することができます。
以下、設定内容を簡単に説明します:
ATR期間、ATR倍率、スイング感度。
この3つは、スイングローとスイングハイが価格チャート上でどの程度の大きさになるかを定義するために密接に関連しています。美しいスイングローとスイングハイを作りたいから、これらが必要なのです。
以下はその例です:
ATR期間=14(現在のATR値を10pipsと仮定した場合)
ATR倍率 = 5 (つまり10 x 5 = 50 pips)
スイング感度 = 30バー
つまり、インジケーターの有効なスイングハイ/ローと見なされるには、30本のバー内で少なくとも50pipsのスイングハイ/ローが必要ということです。
スイングナンバー:
これは、スイングの高値/安値の数です。あまり多すぎても混乱するので、私は通常、スイートスポットとして5つに固執しています。つまり、過去5回の主要なスイングの高値と過去5回の主要なスイングの安値を探すことになります。
RSI Period(1,2,3,4,5):
これらは、基本的にテストしたいRSI期間の設定です。個人的には13、21、34、55、89の数字が一番良いと思います。
RSI センシティビティ:
これは、「隠れた領域」の感度を測定します。感度が5であれば、5%の領域内(例えば10%から15%)をスキャンすることを意味します。この数値が小さいほど、より正確な領域を確保する必要があります。5%がスイートスポットのようで、10%では広い範囲を見つけることになり、あまり便利ではありません。
RSI Confidence Level(信頼度):
先ほどの「SwingNumber」を覚えていますか?これは基本的に、スイングの高値/安値が上記の隠れた領域(RSI Sensitivityで定義)に収まる必要がある割合です。つまり、スイングナンバーが5でRSI信頼度が80%であれば、直近の5つのスイング高値/安値の80%が5%のエリア内で正確に一致する必要があります(RSI感度が5%と仮定しています)。つまり、直近の5つの高値・安値のうち、4つの高値・安値が一致することが最低条件となります。
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