世界の金融市場を取引する際に、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析を使うかどうかは関係なく、エコノミックカレンダーを参照し利用する事は、トレーディングストラテジーを成功させる上で重要です。
エコノミックカレンダー はトレーダーにとって便利なツールです。なぜなら、特定のイベントがいつ起こるかを教えてくれ、それがトレーダーの取引判断に影響を与えるからです。世界経済で起こる月次、年次のイベントを理解すれば、トレーダーはそれらを金融資産の取引のタイミングの指標として利用する事が出来ます。
エコノミックカレンダーとは?
エコノミックカレンダー(経済カレンダー)は、世界経済や金融市場、資産の価格や人気に影響を与える可能性のある国内外の主要なイベントをリアルタイムで紹介するものです。カレンダーに示される今後の経済イベントのスケジュールは、株式CFDトレーディング、FXトレーディング、インデックス、コモディティ、債券など、全ての金融市場に影響を与える可能性があります。
どの様な時間軸で取引を行っていても、またどの程度アクティブに取引を行っていても、エコノミックカレンダーに注目する事が重要です。長期的なFX投資家であっても、主要な経済指標の発表やその予想、最終的な結果について常に把握しておく事は、最善の利益となるでしょう。
経済カレンダーの読み方は?
外国為替市場で取引を行う場合、FX エコノミックカレンダー の正しい読み方を知る事は、取引を成功させる為に不可欠です。外為市場で成功する可能性を最大限に高めるには、外為カレンダーで最も重要なリリースや国際的なイベントを追いかけ、毎朝チェックする事で1日を始めるべきです。
エコノミックカレンダーは、デフォルトで世界中で起こっているすべての今後の経済ニュースやイベントを表示します。今日」「明日」「今週」「来週」を選択するか、カレンダーボタンを使ってカスタム日付範囲を選択すれば、確認したいタイムフレームをカスタマイズ出来ます。
カレンダーをスクロールすると、各イベントの名前、そのイベントが開催される日付とタイムゾーン(GMT)が表示されます。各イベントのボラティリティ、実績、コンセンサス、前回のデータがカレンダーの表に表示され、イベントをクリックすると、実績&偏差値、トゥルーレンジ、ボラティリティレシオの経済データチャートが表示されます。
エコノミックカレンダーの表示をカスタマイズする
特定のエコノミックイベントやカテゴリー、あるいは国のグループについてさらに深く調べたい場合、フィルター機能を使いこなせば時間を大幅に節約し、トレードに役立つ重要なデータを見つける事が出来る様になります。
キーワード検索バーは、グローバル市場において特定のクエリを検索するために使用されます。例えば、「インフレ」と検索すると、CPI関連のイベントが予定されている国がハイライトされます。
国別セクションは、最大43カ国から選択でき、選択した国で起きている経済イベントのみを表示します。調査したい国をいくつでも入れて、結果を絞り込めます。
ボラティリティ・スライドバーでは、「ボラティリティなし」「ボラティリティ低め」「ボラティリティ中程度」「ボラティリティ高め」の4種類から選択する出来ます。
エコノミックカレンダーをカスタマイズし、より有益なものにする為の最後の機能が、カテゴリー選択機能です。12種類のカテゴリーを選択すれば、今後のトレードに必要な テクニカル分析 やファンダメンタル分析 に影響を与える主要な経済イベントを絞り込めます。
用意されている12の経済カテゴリーは以下の通りです:
エコノミックカレンダーの使用例
ここでは、AUD/USDの通貨ペアを取引する場合の例について説明します。来週にオーストラリアと米国から発表されるニュースに注目したいと思います。正しい結果を得る為、以下のステップに従って下さい:
これで、経済カレンダーが完成です:
エコノミックカレンダーで最も重要なイベントにはどのようなものがあるのでしょうか?
以下の発表やニュースイベントは、特に外国為替市場においてボラティリティを大きく左右するものです。毎月第一金曜日に発表され、米国の雇用市場の健全性を報告する非農業部門雇用者数データ(NFP)ほど、マーケットを動かすものはありません。その他、中央銀行の金利決定や消費者物価指数(CPI)など、大きな影響を与える経済ニュースもあります。
ここでは、月単位で市場を動かす最もインパクトのある金融イベントを紹介します:
外国為替トレーダーが注目すべきイベントとは?
主要な経済指標をすべて把握しておく事が賢明ですが、FXトレーダーが細心の注意を払うべきイベントもいくつかあります:
経済指標の種類
エコノミックカレンダーを利用する場合、インベスターなら必ず理解しておきたい重要な指標があります。理解すべき主な経済指標は以下の2つです:
先行指標 - 先行指標とは、将来の結果や事象を予測し、動きや変化を予測する、測定可能または観察可能な変数を指します。先行指標は基本的に未来を予測するものであり、将来のビジネスや経済動向のタイミング、期間、重要性を予測するものです。
遅行指標 - 遅行指標は先行指標とは逆で、前方を見るのではなく、意図した結果が達成されたかどうかを振り返るものである。遅行指標は、経済における長期的なトレンドやシフトが実際に起こったかどうかを確認する事ができる指標です。遅行指標は一般的に測定、特定、比較が容易ですが、重要な洞察を得るのが遅すぎて、それに対して何かをする時間がない場合があるという欠点があります。
エコノミックカレンダーを使うメリット
エコノミックカレンダーは、本当にデメリットのないこの様な有用なリソースです。あらゆるスキルレベルのトレーダーは、Axiの無料エコノミックカレンダーを使用して、外国為替取引、コモディティ、インデックスなど、全ての市場にわたる重要なイベントの指標を評価できます。経済カレンダーの主な利点は以下の通りです:
将来のイベントに対する計画
特定の通貨ペアで積極的に取引をしていて、毎日経済カレンダーを確認する場合、その通貨の市場変動を引き起こす可能性のあるイベントを確認出来ます。例えば、NFP報告や米国連邦準備制度理事会のニュースリリースが控えている場合、外国為替カレンダーで事前に計画を立てる事が出来るのです。
カレンダーは、マーケットのマクロ経済的な見方を提供します。インフレや雇用統計など、中央銀行の意思決定に影響を与える重要な要素もある為、こうした金利上昇のシグナルとなりうるイベントに備えておくと良いでしょう。
リスクマネージメント(リスク管理)
リスクマネージメント は、全ての投資家がストラテジーに含めるべき取引の重要な要素の1つです。極端に変動する市場環境はそれ自体がリスクであり、経済カレンダーはその様な変動を引き起こす可能性のある今後のイベントを強調する機会を提供します。この様なイベントを知っておく事で、取引戦略をさらに複雑にする事なく、それに応じて取引を計画する事が出来ます。
スキャルピングの様な厳格な執行戦略を持てば、リスクの可能性を軽減する事が出来ます。市場に大きな変動をもたらすようなインパクトのあるニュースイベントが発生した場合、このストラテジーは、小さな価格変動から小さな利益を得る事に焦点を当てます。その為、今後起こるイベントで市場が大きく変動した場合でも、すでに利益を得ている事になるのです。
市場がどのように動くかを理解する
エコノミックカレンダーの利点は、初心者のインベスターにとって、世界市場がどの様に機能しているかを理解する事です。トレーディングの世界に足を踏み入れたばかりの人は、積極的に取引をしなくてもカレンダーとライブチャートをモニターして、どの経済イベントがどのマーケットに影響を与えるかを知る事が出来ます。その動きを研究すれば、参入したい潜在的なマーケットについて、より深い洞察を得る事が出来、優れたエントリーポイントとエグジットポイントを見つける事が出来る様になるでしょう。
これで、経済カレンダーの役割とそれを最大限に活用する方法が理解出来ました。 今後のニュースイベントに注目し始め、外国為替市場を取引する為に次の 3 つのヒントを活用して下さい。
イントラデイトレーダーにとって、ボラティリティほど興奮するものはありません。
もし市場が動いていなければ、日中取引は苦行となります。
主要な経済データの発表は、日中トレーダーにとって光明となるものです。いわば、ピップスへの黄金の道。
デイトレーダーがビッグデータの発表を取引する最も一般的な方法の1つは、ブレイクアウトレベルを経由する事です。
非農業部門雇用者数データを前にして、市場は大きな動きを期待し、固まったり、「静まり返ったり」するのは珍しい事ではありません。
その為、ロングサイドとショートサイドの両方で、重要なレベルを全て設定しておきたいところです。
それでは、2019年1月4日のNFP発表前後のユーロドルを見てみましょう。
まず、以下のようないくつかの事を明確にしましょう:
さて、予想と過去の結果が明確になったところで、キーレベルを設定したいと思います。
基本的な事ですが、発表までのチャートにサポートラインとレジスタンスラインを設定しているのがお分かり頂けると思います。
数字が予想を上回るか下回るかの予想やヒントで市場が動く事はよくあります。
次のステップはあなた次第で、どの様に市場に参入するのが好きかにより異なります。
キーボードを打つのがが速い人は、マーケットが主要なレベルを突破した時に、手動で注文を入力するのがよいでしょう。
また、完全なエントリー注文を作成し、その両側にそれぞれの利益確定注文を設定出来ます。
2019年1月の5分足チャートで、NFPデータ発表時の様子をご紹介します。
経済指標の発表時に採用できる2つ目の取引スタイルは、スイングトレードです。
スイングトレーダーは、スイングをトレードする事を目的としており、そのモットーは「弱気の買い」と「強気の売り」でしょう。
2018年10月に遡ると、ユーロドルは安定した下落トレンドにありました。
10月12日、市場は長期の移動平均線にぶつかり、下落しました。その後、10月15日まで再び上昇しダブルトップを形成した後、下降トレンドに入り、買われ過ぎました。さらに非観測派は、弱気のダイバージェンスも示唆するかもしれません。
現段階では、スイングトレーダーはこのショートの取引に集中し、異常な強さを探して売り込む事になるでしょう。
この水準での経済発表は完璧な売り条件を提供するでしょう(この例では後知恵ですが)。
価格急騰の日にはEUブレグジット・サミット、ドイツ経済指標、欧州CPIデータ、ECBプラート演説がありました。市場を動かすリリースがたくさんあるのです。
そこで、スイングトレーダーは、9月下旬からユーロドルが下降トレンドにあった事から、フェイクの上昇を承知で指値注文を設定し、強さを売りにする事を考えるかもしれません。
継続パターンは、テクニカルトレーダーにとって大好物です。
上昇三角形、下降三角形、ウェッジ、ペナント、ダブルトップ、トリプルトップ、ボトムなどのチャートパターンは、今取引している市場の種類を分類するのに便利です。
例えば、ある市場が重要な経済指標の発表を控えて、上昇三角形のパターンに集約されているとします。
重要なレベルを確認し、ブレイクアウトレベルを設定し、経済カレンダーを使用して、次の発表に対する予想とコンセンサスを記録しておくとよいでしょう。
しかし、テクニカルトレーダーとしては、どの主要な経済指標の発表が控えているかを把握し、その発表がポジティブなものであった場合、どの様な展開になるかを知る事が最善であると考える。
もしそれがポジティブなものであれば、全てのレベルが設定されているので、トリガーを引く必要があります。
もし、ニュースが否定的で下降した場合は、ロングのセットアップに失敗したと考え、次の取引に移ったほうがよいでしょう。
この様に、エコノミックカレンダーと今後のデータ発表を利用した3つの興味深い方法があります。
エントリーやエグジットの基準に磨きをかけ、取引を行う前には必ず今後の経済指標をチェックするようにしてください。これは本当に重要なことです。
エコノミックカレンダーの主な機能
当社のエコノミックカレンダーの特徴を知るには、実際に使ってみるのが一番です!しかしここでは、個々の経済データのリリースを見る時にトレーダーの経験を向上させるのに役立つ幾つかの機能の簡単な内訳を説明します。
ニュースイベントの前後に取引を行うと市場のボラティリティが高まる為、大きなスリッページが発生する可能性があることを覚えておく事が重要です。この様な状況では、最初に投資した金額よりも大きな損失を被る可能性があります。
FAQ
エコノミックカレンダーが重要なのは、経済ニュースやトレンドの最新情報を提供する事で、個人がより多くの情報に基づいた投資や支出の意思決定を行える様にする為です。エコノミックカレンダーは、エコノミスト、トレーダー、ビジネスプロフェッショナルにとって不可欠なツールです。消費者の需要や経済状況の変化を予測し、将来に向けてより効果的な計画を立てる事が出来るのです。株や為替に興味のあるトレーダーは、エコノミックカレンダーを活用すれば、大きな経済指標を先取りしより良い意思決定を行う事が出来ます。
経済イベントを取引する場合、最も重要な事の1つはタイミングです。一般的にこれらの発表が行われる直前、あるいは終了した直後に取引するのが最も適しています。というのも、経済指標の発表には大きな価格変動が伴うことが多く、それが短時間で終わってしまう事があるからです。したがって、トレーダーは今後の経済発表を意識して、発生しうる価格変動を利用できるようなポジションをとることが重要です。
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